外国語を学んでいると、外国語を無機質な暗号のように感じることがあります。その原因は、文法などの形式にこだわりすぎていたり、外国語を母語に置き換える作業ばかりで、文章が伝えようとする意味を理解していないからだと考えられます。
それを克服するには、外国語のまま理解する訓練を積む必要があります。理解するためには、理解しやすい題材や自分に合ったレベルのものが良いでしょう。
また、言語学者のStephan Krashenは人は理解できる範囲のインプット(comprehensible input)より若干難しいインプットよって外国語を習得するというインプット理論(Input Hypothesis)を提唱しています。私の考えも非常に似ています。
リスニングに関して言うと、全く聞き取れないものを聞いてもほとんど効果がありません。理解できるものを選んだ方が効果が高いです。
効用:理解できる外国語
1.理解できる喜びによってストレスが減り、学習の継続が楽になる
慣れない外国語を読む作業は大変です。しかし、外国語の習得には大量のインプットが必要です。やる気を維持して、学習を継続させるためにも、理解できるものが好ましいのです。
2.背景知識が理解の手助けとなる
文脈に頼ると、文章からの理解をしなくなるのではと考えるかもしれません。しかし、実際は母語でも同じで、人は文脈や過去の知識に照らしながら言語を理解しています。文脈がわからないと、たとえ正しい文法の文でも理解できないことがあります。
既に理解しているものを読むと効果がないと思うかもしれませんが、それでも人は文字を追って読むものです。自分が知っていることと異なることが書いてある可能性もあります。
何の話かわからない外国語を読むというのは苦痛です。この苦痛を和らげても、学習の効果が下がるということはありません。
条件:題材とレベルの選び方
- 理解できる範囲の単語が多いもの
- 背景や文脈を既に知っているもの
- 同じものを繰り返し聞く
同じものを繰り返して聞く
私は同じ映画を何度も観ます。既にストーリーを知っていることで理解もしやすくなりますし、毎回理解できる範囲が増えて、学習の進捗を知ることにも繋がります。
また、フレーズを暗記できるという効果もあります。フレーズの暗記に関してはアウトプットで詳しく説明します。
理解できるものの探し方
- 外国人用の読み物や、子供の本など
- 興味のあるものを読む(インターネットで探すことができる)
英語の場合は、Penguin Readers’などから外国人学習者用に書かれた本が出ています。日本の場合、学校や街の図書館においてあります。