翻訳せずに外国語を理解するには

初めての外国語である英語が話せるようになると決めた時に、そもそも外国語が話せる人はどうやって外国語を処理しているのかがわからなかった。一番大きな問題は外国語が使える人は母語に翻訳しないで理解しているのかどうかという問題だった。周りにロールモデルとなる人がいなかったので、翻訳せずに理解できるのかどうかがわからず、それを目標にすべきかどうかすら判断がつきませんでした。

外国語の学習に成功した今となっては、この疑問に答えることができるようになった。同じ悩みを抱えている人たちと共有します。

翻訳せずに理解するプロセスを分析する

翻訳を介さずに外国語を理解することができるのかを検証するために、まず外国語を理解するプロセスを分解して、その時に何が障害になるのかを分析してみよう。

  • 単語
  • 語順
  • 語尾変化などの活用

外国語の単語を理解する方法

外国語の単語は翻訳を介さずに理解することができないと考える人がいることでしょう。なぜ外国語の単語は直接理解できないと考えられるのか。それは、人は子供の頃から自然に習得した単語以外は理解できないと考えているからでしょう。

しかし、人は大人になっても新しい単語を理解できるようになるし、自分で使うようにもなります。以前は誰も知らなかった新語や流行語は毎年生まれています。つまり、大人になって新しい単語を覚えることは可能と言えます。

しかし、これは母語だから理解できるようになるのであって外国語には当てはまらないと反論する人がいるでしょう。日本語の場合にも外来語がたくさん入ってきていますが、翻訳せずに使っています。外来語には「テーブル」のような昔から使っている言葉だけでなく、「インターネット」などの単語は昔は知らない人が多かったはずなのに、今では日常的な単語になっています。
外国語の単語を直接理解するには、上の2つの要素が含まれています。
1.新語のように今まで知らなかった単語を覚える
2.外来語と同じく、母語とは系統的な繋がりのない単語を覚える
このように外国語の単語も翻訳せずに覚えることが可能なのです。

外国語の語順

言語によっては語順が違います。違う語順の言語を学ぶと、人は語順に依存せずに単語だけで理解できる。

様々な言語で、会話などでは語順がかなり柔軟になり、規範的な語順から変わっているが、聞き手は理解していることからも、語順が意味理解に重要でないことがわかる。

何のために語順を固定しているのか

蛇足だが、語順が必要ないのに、なぜ言語によっては厳しいルールとなっているのか。それは、語順によって文法的な機能を決めるようにしたからである。代表的なのは英語と中国語です。

John loves Yoko.

Yoko loves John.

で文章の誰か他人を愛する人(主語)と愛される人(目的語)が逆になります。

語尾変化など

語尾変化が多い言語にはラテン語などの古典語だけでなく、ドイツ語やロシア語などの現代語にもある。語尾変化の多くは規則的であり、学習者はその変化語尾に慣れていく。

翻訳しないで理解するための実践方法

上で既に外国語を翻訳せずに理解できると証明できたものとする。大量のインプットによって、人の脳は外国語の理解を自動化し速めるために最適化していきます。それは、外国語に限らず車や自転車の運転のように慣れていけば、意識せずとも情報処理ができるようになるメカニズムと同じです。

単純なインプットから始める

単純なインプットというのは、意味や文法の構造から見て単純な文ということです。学習初期に読むべき文章は以下のようなものをたくさん読んだり聞いたりして、徐々に翻訳せずに理解できるようになることをおすすめします。

  • 単純な構造の文
  • 場所を表す文

単純な文の例

A=Bの文章

例えば、

これは辞書です。

のような文は翻訳をしなくても直観的に理解しやすいです。おそらくほとんんど全ての言語で同じ構造の文章を作ることができるでしょう。Bの部分に「~は大きい」や「~は大事だ」形容詞だけの文も理解しやすいです。

場所や方向を表す文の例

場所や方向を表す文は学習初期でも理解しやすいので、これらをたくさん読んで翻訳しない習慣を身に着けるのが良いです。例えば、

  • 猫が椅子の上にいる。
  • 冷蔵庫の中に牛乳がある。

場所や方向の文がなぜ良いのかという理由は2つあります。一つは自分一人でも練習できるからです。もう一つは、場所は民族を問わず普遍的な概念だから、どんな外国語でも母語と同じ意味なので、誰でも直観的にわかります。頭の中で映像を思い浮かべるのも簡単です。「上」という単語なない言語はほとんどないでしょうし、ほとんどの言語で全く同じです。

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