なぜ人は母語を話す時に間違いなく早く話すことができるのでしょうか。ある研究によると、母語話者は定型文をたくさんストックしていて、それを話しているらしいのです。これら定型文を言語学ではChunk(単語の塊)と呼びます。
外国語学習でもこれを応用しましょう。
チャンクの具体例
チャンクというのは、形を変えないままで使われることなので、日本人がよく使うものを考えてみると分かりやすいです。
- こんにちは
- 御免ください
など、単語を加えないものから、以下のようなものもあります。
- ~したいと思います。
- ~いただけたらと思います。
- ~いいんじゃないかと思います。
日本人なら何気なく使っているこの「思います」の表現を外国人が使うことで日本語らしい表現になります。これらよく使われる表現がチャンクというものの性質を物語っています。
定型文の効果効用
- 素早く文章が作れる
- 既に使われているので文法などの間違いがないことが証明されている
フレーズを探す
暗記する文章の探し方は以下の3つが考えられます。
普段から蓄積しておく
普段からのインプットの蓄積が必要となる。教材などでそのまま使えそうな文を丸暗記しておきます。覚える時には、自分がその文を使う状況を想像すると、よりしっかりと記憶することができます。
他人が使ったものを真似する
ネイティブと会話する機会があれば、使う表現を良く観察しましょう。母語話者が使う表現の中に自然さが宿っています。lang-8などで外国の友人が使った表現も参考にしよう。まったく同じものを使うと、正しい文を使えます。他人と同じ表現を使ったとしても、不自然でも悪いことでもありません。ネイティブが使う文の多くが他の人みんなが使う表現なので、真似しても目立つようなことはありません。
ただし、使われる文脈や状況に留意しないと、聞き手に誤解される可能性があります。日本語では敬語などの要素がありますが、それら要素は社会言語学的要素と呼ばれます。
アメリカ人なんかが自分のオリジナルの文をクリエイティブに造りたがると聞いています。
手持ちの表現以外を使いたい場合
蓄積していないもので使いたい表現がある場合は、ネイティブが使った例文を参考にすると良い。私はbaba.dictionaryというサイトで単語がどう使われているのかを確認するために、いくつもの例文を参照している。これによって、間違いを減らすことができる。
http://en.bab.la/dictionary/
また、使おうと思う分野の記事をネットで探すと、より自然で伝わりやすい文章を見つけることができます。
応用
丸暗記する文の単語を入れ替えて、自分の状況に合う文章に造り換えよう。
反論
学んだものでは対応できない状況がある
それはフレーズの丸暗記に限らず、他の学習方法にも当てはまることである。フレーズの暗記以外にも、普段から文章を作り、添削してもらう練習を積んでいれば良い。
丸暗記しても、新しい文を作る能力は向上しない。
ただ暗記するだけでなく、文の構造や文法を理解する。その文章が使われている状況も理解するための手がかりになる。